プログラマの復権

1年前、尼崎の列車事故をうけて、とある新聞の社説に次のような内容の記事が掲載されました。
列車の運転士とは、列車を数秒違わず運行し、数mという誤差範囲内に列車を停止させるという非常に専門性の高い仕事である。子供の憧れの対象であり、非常に尊ばれる職業である。しかし、JR社内では大卒出身者は幹部候補生という名前の元に現場を経験せず、高卒出身者で占められる列車の運転手は虐げられた存在であった。
我々の業界でも同じことが言えるのではないか、と感じることがあります。プログラマは非常に専門性の高い仕事であり、子供の憧れの職業でもあるわけです。しかし、ろくにプログラムを作れないマネージャ、コンサルタント、アーキテクトがおり、現場仕事のプログラマは虐げられている側面があるのも事実です。
こういった歪んだ業界の構造がああいった事故の要因の1つになっているのではないでしょうか。ITの世界でも東証の事故などは記憶に新しいです。
XPはプログラマ復権と言われます。これは少し語弊があるかもしれませんが、マネージャもコンサルタントもアーキテクトもプログラマも対等の立場で仕事をすべきであり、決してプログラマが年を取るとアーキテクトになったり、マネージャになったりするような出世魚みたいなものではないのです。
XPの価値の1つに「尊敬」があります。いい仕事をするためには、お互いに対する敬意が必要なのだと思います。
JR社内にも運転士に対する敬意がもう少しあれば、と思うのです。